司法書士が独立までに準備しておくべきこと、必要なスキル
司法書士は法律系の資格試験の中でも難易度が特に高い「S級」と言われる国家資格です。
司法制度改革により新司法試験が行われるようになったこともあり、筆記試験そのものの難易度ということで比較をすると、司法書士試験は国内資格でもトップクラスの難易度の資格と言えるでしょう。
そんな狭き門の資格試験ですが、取得さえすればどんどん仕事が入ってくるというわけではありません。
数十年前までは司法書士は「稼げる資格」の代表的な存在として扱われており、取得をすればすぐにでも開業し高収入が期待できるというようなイメージが持たれてきました。
しかし現在ではインターネットなどで簡単に法律が検索できたり、提出する公的書類のフォーマットが手に入るようになったことから、司法書士としての仕事は減りつつあるのです。
司法書士がメインとしている業務は「書士」業務で、一般の人が作成するのが難しい登記などの申請書類を代行して作成することです。
ただ、こうした書士業務は法律上本人が行うには問題がなく、フォーマットも決まっている事務的な仕事であることから、将来的に書士業務のみで生き残っていくということはかなり厳しいと言えます。
もし司法書士として独立開業を考えているなら、書士業務だけでなく特徴のある営業をしていく必要があるでしょう。
独立までの流れ、心構え
司法書士という仕事は、弁護士と比べて一般の人に業務内容が分かりにくいようです。
ごく簡単に言うと司法書士の業務は弁護士の業務に内包されるもので、弁護士業務として行われる法律関係の事務のうち一部を独自に行うことができるということになっています。
司法書士の仕事は書類の作成だけでなく、簡易裁判所における民事事件の手続きの代理業務があります。
弁護士の場合はすべての訴訟業務が担当できますが、司法書士の場合は主に債権回収や過払い請求のような、民事の金銭的トラブルのみを扱うことができるというふうに定められています。
債権回収や過払い請求というと、ここ最近テレビCMやラジオなどで頻繁に耳にするようになってきた言葉です。
それらは司法書士が独自に行なうことができるため、独立開業した司法書士が専門的に扱うようになったという背景があります。
司法書士としてのキャリアをスタートさせる時には、まずは既存の司法書士事務所などに勤務をして、そこで実務を学んだのちに自分の専門を見つけて独立するというルートが一般的です。
独立については日本司法書士会連合会がバックアップしてくれる制度などもありますので、資格を取得したときに相談をしてみると地域ごとの開業状況などを教えてもらうことができるでしょう。