SWOT分析の意味、活用方法
SWOT分析とは、企業活動をしていくときの戦略策定において、マーケティング戦略を導き出すための有名な分析方法の一つです。
まず言葉について簡単に説明をすると、「Strength(強み)」「Weakness(弱み)」「Opportunity(機会)」「Threat(脅威)」を一つのフレームを四分割にした図表の中に書き込み、そこから自社や他社の動向を書き込んでいくようにします。
こうした4つのセル(マトリクス)を用いて一覧にする手法は企業戦略以外の分野でも多く使用をされており、工場などの社内環境の整備といった分野においても、客観的な判断ができる手法とされています。
SWOT分析の各要素は、事業活動の外的環境と内的環境に区別することができます。
外的環境とは、その時期の政治や経済、規制、技術開発、業界内の需給ギャップといったような、いわば自社内の活動ではどうこうできない物のことです。
一方の内的環境とは、今まさに自社内で起こっていることで、適格に分析をしていくことにより業務を大きく改善していけるようになります。
外的環境の分析は「O(機会)」および「T(脅威)」となり、内的環境の分析は「S(強み)」と「W(弱み)」として記載されます。
実際にSWOT分析を行う場合は、図表にしたところで思いついた項目を、それぞれの4つのセルのどこに当てはまるかを考えて入れていくようにします。
4つのセルがすべて埋まると、それぞれの関係性が客観的に把握できるようになるので、そこから次の戦略を考えるヒントになってくるのです。
具体的な事例
SWOT分析をより積極的に活用している業界が看護業界です。
看護の仕事は正確には事業活動とは異なるのですが、分析をしていくことことにより医療機関内のミスをなくし、過ごしやすい環境を作り出していくヒントになります。
病院経営をコンサルティングするときにもSWOT分析が用いられることが非常に多く見られます。
それぞれの地域における人口や利用者の数、法律的な施策といったことを順番に考えていくことにより、どういった医療サービスが必要とされているかを先に考えていくことができるのです。
実際に病院で行われた看護活動に関するSWOT分析においては、例えば高齢化が進展し高齢者の利用が増えているという「O(機会)」に対して、地域医療福祉と連携をして中核病院として経営しているという「S(強み)」というふうに分析していきます。
そうした分析をしていくことで、今後少子化や社会保障制度改革による「T(脅威)」が発生することや、看護師人材が不足するという「S(弱み)」という問題点が浮き彫りになってくるでしょう。