社会保険労務士が独立までに準備しておくべきこと、必要なスキル
社会保険労務士は中小企業の事業主からの依頼を受け、社会保険に関わる手続きの代行を行うことが主な業務の仕事です。
こうした労務管理の業務については資格者でなくてはならないケースも含まれており、資格を取得することにより独立開業がしやすくなります。
社会保険労務士の仕事の中でも独占的業務となっているのはいわゆる「書士」としての仕事で、公的に提出をする書類を代行して作成するという業務は、資格者以外が行うことを禁止されているのです。
ただ、そうした書士業務はあくまでも社労士の仕事のごく一部であり、その他に会社経営に関するコンサルティング業務や労務管理の相談指導といったようなことをメインに行なっている社労士事務所も多くあります。
会社に関するコンサルティングの他に、年金相談業務や紛争解決手続き代理業務、または補佐人として訴訟対応にあたるといった業務も含まれています。
社労士としての働き方やキャリア形成は一つだけでなく、会社に勤務をしたり独立開業したりと、複数の方法から自由に選ぶことができるというのが特徴です。
専門業務であることから事務所を構えずにフリーランスとして行うこともでき、ノマドワーカーとしての職種としても人気があります。
専門職であることから国家資格の難易度は非常に高く、毎年2~10%程度というかなり低い割合です。
さらに社労士試験は学歴要件が必要になっているので、現在国内で行われている資格試験の中でも相当難易度が高いと考えてよいでしょう。
独立までの流れ、心構え
難易度ではSクラスに入る社会保険労務士ですが、資格を取得した人がすべて開業をしているというわけではありません。
むしろ労務管理というのは企業活動において必須かつ日常的に必要な項目であることから、企業に勤務をする人事部で取得が推奨されていることもよくあります。
開業をする場合は、それぞれの企業から依頼を受ける形で労務管理の顧問についたり、必要な手続きを代行したりといったことをしていきます。
労務管理は会社経営に非常に近い位置にあることから、経営そのもののコンサルティングをするという人も多くいます。
ここ近年で増えてきているのが、企業内での未払いの給与や加入漏れがあった社会保険についての訴訟です。
こうした問題が起こるのはそもそも経営者側に労務管理という考え方が乏しかったからですが、争いが大きくなってしまうと会社経営そのものが危機的な状況になってしまいます。
社会保険労務士はそうした従業員との争いの場面において、できるだけ円満に解決できる方法を考え、仲裁役になっていくという能力も求められるのです。