中小企業診断士が独立までに準備しておくべきこと、必要なスキル
中小企業診断士は、中小企業支援法に基づき経済産業大臣によって登録される国家資格です。
主な業務は中小企業の経営者から依頼を受けてその会社の経営診断を行い、経営上の特徴や課題を明らかにしていきます。
日本国内で開業している企業は約421万社ありますが、このうち99.7%が中小企業です。
中小企業とは資本金の額または出資の総額が3億円以下で、従業員数が300人以下の企業のことを言います。
さらに小規模事業者という従業員数が20人以下の企業というくくりもありますが、それらの企業を総称して中小企業と呼ばれています。
中小企業の多くは地元を中心にした事業展開をしており、大企業とは異なる経営手法が求められるものです。
日本の中小企業のほとんどは製造業で、もともとは技術者であった人がそのまま社長業を兼任しているということが多くあります。
そうしたいわば「経営の素人」に対してプロの視点から会社経営についてアドバイスをしたり、会計業務を代行したりするというのが、中小企業診断士の社会的役割です。
中小企業診断士は法律系の難関資格ですが、弁護士や司法書士のようにそれがなければやってはいけない業務があるというわけではありません。
ただ資格があることにより、特殊な技能を取得している証明になることから、名刺やプロフィールとして中小企業診断士を名乗ることができるようになります。
中小企業診断士の資格者は、銀行や保険会社などに勤務をして企業からの相談を受け付ける他、自身で開業をするということもしています。
開業をする場合は経営コンサルタントとして、それぞれの企業からコンサルティングの依頼を受けてそれぞれの企業内の問題点を洗い出すとともに、事業拡大のための経営戦略のアドバイスをしていくのです。
独立までの流れ、心構え
中小企業診断士は、2015年11月に行った日経の「取得したいビジネス関連資格」で第一位になるなど、現在非常に注目度の高い資格となっています。
実際資格受験者は年々増え続けており、まさに独立開業にはもってこいの資格というふうに言えるでしょう。
しかしそうして資格者が増加するということはそれだけ競争率も激しくなるということなので、開業をするならそうしたライバルよりも勝ち残っていくための方法を考えていかなければいけません。
中小企業診断士が人気となっている理由としては、若い世代から絶大な支持を受けている「ノマドワーカー」としての働き方ができやすいからです。
特定のオフィス内での仕事ではなく、常にどこかの企業を訪問してそこで経営診断をしていくことになるので、フットワークの軽さや状況に応じて提案内容を変える柔軟さが必要になっています。
中小企業診断士の資格を持っていても即開業をするという人は実はそれほど多くなく、資格者の約2割程度にとどまると言われています。
より独自性を高めるために社労士や行政書士などダブルライセンスを持つ人も多く、キャリア形成もそれぞれです。