3C分析の意味、活用方法
3C分析とは、企業をとりまく環境を3つの「C」で分析をしていくという方法を指します。
3つの「C」とは「Customer(市場・顧客)」「Competitor(競合)」「Company(自社)」のことです。
これら三面からそれぞれ分析をしていくことにより、現在会社が置かれている状況を正しく把握することができます。
この3つはそれぞれ全く違った視点であることから、分野別に自社が置かれている状況を考えていくことで、どこに強みと弱みがあるかということを理解しやすくなるのです。
ちなみにこの「3C分析」を考案したのは、テレビでもおなじみの経営コンサルタントの大前研一さんで、1982年に「The Mind of the strategist」という書籍により発表しました。
その著書の中では「3C分析」のことを三者の主たるプレイヤーとして、それぞれを個別に考慮していくことの重要性を示しています。
なぜ3つの分野に分けて考えることが必要かというと、内的要因と外的要因の両方の要素から判断をしていくことができるからです。
「Cunstomer(市場)」では取り扱っている製品やサービスが現在社会全体でどのくらいの需要があるかを明らかにしています。
反対に「Company(自社)」は、内部でどういった体制がとられているかということを明らかにします。
そこで「Customer(顧客)」に対してどういったアピールをしていくかを考えていくことができるので、自然に次にとっていくべき方向性というものが見えてくるのです。
ただこの中でも最も難しいのが市場全体の把握で、そのためにはまた別のマクロ分析やPEST分析といった手法を用いなければいけません。
具体的な事例
この「3C分析」による戦略がもっともよく現れているのが、ファストフードのシェアNo.1とNo.2であるマクドナルドとモスバーガーです。
まずマクドナルドですが、こちらは2012年に実施された「60秒サービス」に代表されるように手軽さや安さが魅力となっています。
他にも「おてごろマック」というようにワンコインですばやく購入をできるサービスを提供するなど、一貫して簡単に利用ができる営業方法をとってきました。
一方でモスバーガーは注文を受けてから調理をするという方法をとっており、客単価もマクドナルドよりもかなり高くなっています。
時間をかけて高級なものを提供することがサービスとなっているのです。
同じファストフードですが、この2つは全く異なると言ってよいほど違ったアプローチによりサービスの展開をしています。
これはお互いが「3C分析」により、自社の製品のメインユーザーとなる層をきちんと定め、その上で新しいサービスを考案しているということが理由となっています。
マクドナルドとモスバーガーはお互いに市場を分析していることにより、同じファストフード業界でありながら直接的にライバル関係になることがなく、それがそれぞれの業績伸長へと繋がっています。