STP分析の意味、活用方法
「STP分析」とは、市場のニーズを満たす価値を上下左右の軸の中に書き込んでいくことにより、自社の優位な位置づけとなる商品やサービスの位置づけを行うための分析方法です。
具体的な方法としては、価値軸を1および2として上下左右に垂直に線を引き、そこに自社および競合他社の製品をポジショニングしていきます。
言葉の説明をすると「STP分析」というのは「Segmentation(セグメンテーション)」「Targeting(ターゲティング)」「Positioning(ポジショニング)」という3つのフレームで考えていくことから来ています。
もともとSTP分析が生まれたきっかけとなったのは景気の大幅な縮小で、好景気の頃のような「画期的な製品を作れば誰もが欲しがってくれる」というような発想から転換をするようになったことです。
STP分析を別名「絞り込みマーケティング」ということもあり、これから物を売っていくためにはただ作ればよいということではなく、市場のニーズを見て本当に売れるものに絞り込んでの開発が必要になるということが言われています。
「S(セグメンテーション)」というのは地理や人口条件といったものをベースに、心理的変数や行動変数を加えるものです。
そこに「T(ターゲティング)」で市場の規模や成長性を加え、さらに「P(ポジショニング)」で自社製品をどういった立ち位置で売るかということを考えていきます。
具体的な事例
STP分析を用いた事例としてスターバックスコーヒーがあります。
スターバックスコーヒーは全国に展開していますが、その出店はただ拡大を目的としているのではなく、きちんとそれぞれの土地のニーズを調査した上で行っているのです。
スターバックスコーヒーが主に出店をしているのは大都市や地方の主要都市などで、主なターゲットとしているのは収入が平均以上の会社員です。
さらに会社の種類としては専門職やデザイナー職を意識しており、それらを総合して店舗の位置や内装、サービスを決定しています。
同じようなコーヒーチェーンとしてはドトールやタリーズ、エクセルシオールといったようなところがありますが、スターバックスコーヒーがそれらを大きく引き離しているのは「おしゃれ」「高級感がある」といった項目でしょう。
よく「意識高い系はスタバでノートパソコンを広げている」といった揶揄がされることがありますが、それはむしろ店舗側が狙ってそういった雰囲気を出しているからです。
スターバックスコーヒーを利用する人はただコーヒーを飲みたいということだけでなく、そこを利用するというブランドを求めているという部分が大きいのです。